ラグビー慶応大の主将は医学部。解剖実習を乗り越え、打倒・帝京大へ (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 古田は時間があればラグビーのビデオを見て研究し、キッカーとして他の人よりグラウンドに早く来てゴールキックの練習をしている。準備を大事にしてコツコツやる姿勢は、勉強もラグビーも変わらない。4年生になった今年は「2~3年生のときよりも授業は講義が中心なので、ラグビーに集中できています」という。

 そして、同じように文武両道を貫きたいと考えている後輩たちに向けては、こう語る。

「勉強とラグビーと両方やりたい人がいたら、あきらめないでほしい。体育会でラグビーをやることは簡単なことではないですし、医学部で勉強することも大変です。ただ、いろんな支えがあって両立できるので、一生懸命やればできます!」

 高校までラグビープレーヤーだった父親の十(じゅう)さんは、「自分を超えてほしい」という想いを込めて、漢数字の単位である兆(ちょう)の上の京(けい)にちなみ、息子に「京(きょう)」と名づけた。古田のモットーは、「全部一生懸命、何でも楽しくやる」。練習でも、試合でも、困難なときほど笑って楽しくやろうと心がけているという。

 キャプテンとして、そして「10番」を背負う司令塔として、古田京のラストシーズンがついに始まった。ラグビー人生の集大成となる今年、慶應大を19年ぶりの日本一に導くことができるだろうか。

◆W杯8強への腕試し3連戦。ラグビー代表33名で見えた、日本の強み>>>

◆ラグビー明治大、22年ぶりの頂点へ。新主将&新監督で春は帝京大を撃破>>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る