W杯8強への腕試し3連戦。ラグビー代表33名で見えた、日本の強み (3ページ目)

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu   齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 左プロップの浅原拓真は30歳、サンウルブズ3年目でいろんなタイプのプロップと対峙してきた。同じ左プロップの石原慎太郎は27歳、フィールドプレーの良さには定評がある。

 右プロップのホープ、23歳の具智元(グ・ジウォン)は183cm、122kgと世界規格で、コア(体幹)、背筋力も強い。スクラムでの相手の揺さぶりに対抗できれば、もっと強くなる。同じく右プロップの須藤元樹も24歳と若い。173cm、110kgのプロップ然とした四角い体躯。顔つきもいい。サンウルブズでは出場していないが、サントリーでは先輩の畠山健介を押しのけ、レギュラーを張っている。イチ押しの成長株である。

 フッカーの24歳の坂手淳史は堀江の後継者としてメキメキ力をつけてきた。バックス出身。器用なタイプでよく走る。相手の死角から入る猛タックルも持ち味である。フッカー庭井祐輔は職人肌でスクラムワークに長(た)ける。ラインアウトのスローイングもうまい。

 日本のスクラムといえば、長谷川慎スクラムコーチのキメ細かい指導による、「8人一体」の結束重視であろう。イタリア、ジョージアは個々がパワフルで、前後、上下、左右に揺さぶってくる。これに対し、日本は足の位置の運びや肩、腕の位置、低い姿勢、ヒット、プッシュのタイミングなど、FW8人の細かい連係で対抗したいところだ。

 もちろん、フロントロー陣以外にも注目すべき選手はたくさんいる。大躍進の23歳、ナンバー8の姫野和樹、迫力を増したロック真壁伸弥、スーパーラグビーのレベルズで活躍のアマナキ・レレイ・マフィ、"ジャッカルの鬼"の布巻峻介......。

 初選出の31歳、フランカーの西川征克も忘れてはならない。ワークレートが高く、タックルは激しくしつこい、アタックもセンスに満ちている。次代の代表を目指すナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)のニュージーランド遠征で大活躍した。

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