W杯8強への腕試し3連戦。ラグビー代表33名で見えた、日本の強み (2ページ目)

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu   齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 世界ランキングをみると、日本の11位に対し、イタリアが14位、ジョージアは12位と僅かながら、対戦相手は下にランクされている。ホームでの戦いでもあり、日本は勝たなければならない。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC)は、サンウルブズでの戦いを通し、「選手たちには自信が生まれてきた」と言い切る。

「相手はタフなチームで、我々にとっては大きなチャレンジになる。日本代表の戦術や戦略、選手それぞれの役割すべてを計画通りに成し遂げることが勝利につながる」

 イタリア代表は2016年から指揮をとるアイルランド出身のコナー・オシェイ監督のもと、初めて南アフリカ代表を破るなど、成長を遂げている。ジョージア代表と同じで、伝統的にスクラムが滅法強い。日本としても、セットプレー(ラインアウト&スクラム)、とくにスクラムが安定しなければ、自分たちのやりたいことができなくなる。

 振り返れば、前回RWCの1年半前の2014年6月、エディー・ジョーンズHC率いる日本代表がイタリア代表を初めて破って、テストマッチ10連勝を遂げた。その原動力は攻守の基盤のスクラムの進化にあった。

 ジョセフHCも「イタリアもジョージアもセットピース型のチームと分析している」と説明した。

「とくにスクラムは、我々のチームの中で、非常に重要で、かつ必要不可欠な部分になります。(今回のテストマッチで)世界のトップクラスのスクラム、あるいはフロントローとの対決を思い切り、体験してほしい」

 日本代表のフロントロー陣はプロップ5人、フッカー3人の計8人が選考された。

 前回のRWC出場のプロップ稲垣啓太、フッカー堀江翔太の力は安定している。スクラムでの"引き出し"も増えた、つまり対応力が高まった。

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