サンウルブズ、刀を振り回す「剣豪」のラグビーで、ついに今季初勝利 (2ページ目)

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 攻守が切り替わる。サンウルブズがラックを連取し、FWがサイドを突く。再びラックからスクラムハーフ、流が短いパスを右サイドのロックのグラント・ハッティングに渡し、プロップのクレイグ・ミラーに"ノールックパス"。

 ミラーが突進する。これをフォローしたハッティングが相手2人を引きずりながらポスト右に飛び込んだ。トライ。ゴールも決まって、19-14と逆転した。

 これで主導権を握った。勝因はディフェンスとラインアウトの改善だろう。ディフェンスは連係よく、点ではなく、面で素早く出ていく。個々のタックルの質も向上していた。

 攻守で活躍した25 歳ウイングの福岡堅樹は「常にコミュニケーションをとるようにしていた」と振り返った。

「相手にストロングキャリアが何人かいたので、そこは絶対にオフロードパスをつながせない、勢いを与えさせないため、しっかりと前に上がって2枚(2人)でタックルに入ることを意識していました」

 スーパーラグビーによると、この試合のサンウルブズのタックル成功率は192本中171本成功で、約89%(レッズが84%)の高い数字を残した。またマイボールのスクラムは全5本から生きた球を出し、課題だったラインアウトではマイボール12本中11本確保と約92%の成功率を記録した。

 ゲーム内容のこれほどの改善は、若手主体の相手チームといった相対的なことも関係するが、この1週間の充実した準備によるところが大きい。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC)は「これまでの集大成を見せてくれた」と言葉に安堵感を漂わせた。

「(初勝利は)サプライズだと思っていない。自分たちのことを見つめ直して、反省すべきところは反省してやってきた結果です」

 この1週間の練習での修正点は、不安定なラインアウトや、試合中ふと気を抜いてしまう「ソフト・モーメント」の改善など4点だった。いい準備ができたとリーチも説明した。

「相手がどうのこうのではなく、この1週間、自分たちにフォーカスしていた。とくに今日はディフェンスがよかった。チームのコミュニケーションも深まってきた」

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る