ラグビー男子セブンズ、「世界」に再昇格。
五輪メダルへ望みをつなぐ

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 谷本結利●撮影 photo by Tanimoto Yuuri

 後半、日本は中野将宏がトライを挙げて12―14の2点差に追い上げる。一方、疲れの見え始めたドイツは、準決勝まですべて決まっていたキックパスをミス。タッチを割ってしまい、日本のボールとなる。そして終了のホーンが鳴ったラストプレー、日本はミスや反則を犯せば負けという極限状態のなか、最後まで集中力を落とさずにボールをつなぎ、冒頭の劇的トライで逆転優勝を成し遂げた。

「ボールをもらったとき、絶対トライできると思っていました。あの瞬間は最高でした。本当にうれしかった!」

 最後のトライを決めたリサラは、試合後に喜びを爆発させた。

 再昇格を果たした日本は4月28日~29日、すでにワールドシリーズのシンガポール大会に招待されている。その後は7月にアメリカのサンフランシスコで開催されるセブンズのワールドカップ、そして8月にはインドネシアでアジア競技大会も控えている。ある程度メンバーを固定して戦うことができれば、強化の歯車はしっかりと回り始めるだろう。

 小澤主将は来シーズンからコアチームで戦えることについて、こう語った。

「また1年でふたたびコアチームから降格すると、2020年の東京五輪につながらない。最低でも残留しないと次に進めないし、コンスタントにベスト8に入らないと(オリンピックで)勝てない。今いるメンバーで世界と戦えるチームの基盤を作って、2020年にはベストな状態で臨んでいきたい」

 リオの地では、メダルまであと一歩届かなかった。ただ、東京五輪の2年前にワールドシリーズへ復帰できたことは、地元でのメダル獲得という悲願達成に向けて、大きな後押しとなるだろう。

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