「ラグビーが恋人」の23歳に期待。開幕5連敗サンウルブズの突破口 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 続く2戦目は負傷により欠場したが、初の南アフリカ遠征となった3試合目、4試合目はLOとしてフル出場。特に38-40と惜敗だったライオンズ戦では、2年連続準優勝チーム相手にパスをインターセプトし、スーパーラグビー初トライも挙げた。

 そして迎えた3月24日、初めてNZ勢と対戦した姫野はチーフス戦をこう振り返る。

「準備期間が足らなかった。ちょっとしたところでミスが出たりして、チームの成熟度はまだまだかもしれない。NZのチームはボールの動かし方がうまかった。ただ、(自分たちが)劣っているとは思わない。自分たちのプレーができれば通用する」

 社会人になる前、姫野は「トヨタ自動車での日本一と、トップリーグ新人賞、そして日本代表とサンウルブズに選出されること」という目標を掲げた。個人目標はすべて達成している。

「この1年ですべてが変わった」という姫野。その視線の先には、もちろん2019年のラグビーワールドカップ出場がある。

「チャンスを掴めたことが自信になった。これからもチャンスを逃がさなければ、自分のラグビーがもっと豊かなものになる。2019年まではラグビーが恋人です!」

 ただ先を見るだけではなく、毎日の積み重ねが大事ということを意識しながら、姫野は楕円球に向き合う覚悟を決めている。

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