女子高生だらけの7人制ラグビー・セブンズ代表。若返りの狙いは? (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 その結果、平野はスピードを落とさずに身体を大きくすることに成功し、持ち前のステップを武器にワールドシリーズでもトライを挙げるほどになる。本人は国際舞台での経験を振り返り、「ディフェンスでチームの役に立ててきているかな」と、その成長ぶりを自身でも実感していた。

 そんな成長著しい平野に、女子セブンズ日本代表の稲田仁ヘッドコーチ(HC)も期待を寄せる。

「(以前は)ディフェンスでハードワークできなかったが、今は戻ってきてタックルで相手を止めることができるようになってきた。キャプテンの中村(千春)のように、2日間6試合すべてでハードワークできるようになってほしい」

 リオ五輪の閉会式では、東京五輪を紹介するビデオ映像にラグビーの代表として出演していた平野。西野カナが大好きという18歳の女子高生は、これからのセブンズを担う逸材のひとりだ。

 一方、歌手のmiwaが好きという田中は富山県魚津市の出身。吉島ラグビースクールで小学校2年生のときからラグビーを始めた。中学時代はバスケットボール部にも所属しつつ、ラグビーではオール富山やセブンズアカデミーに選出されたアスリートである。

 高校ではラグビーに専念することを決めて、「男子と一緒に練習できる」という環境の國學院栃木に進学した。全国大会常連校の男子部員と練習できることで、「スピードや筋力アップにつながりました」と田中は語る。また、親もとを離れたことで、ラグビーに対する意識も変わったという。

 ワールドシリーズなどの国際舞台を経験したことで、田中は「スペースを突いて、いい判断ができれば、いいアタックができる」と自信をつけた。だが、「相手のスピードについていけず、抜かれたり、筋力で潰されたりした」と反省も口にする。

 田中について、稲田HCはこう評する。

「ラグビーがうまい。キック、アタック、ラインアウトのスローイングなども安定しているし、判断もちゃんとできている。真面目な選手なので、着実に成長している」

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