「敵にいる日本代表」は凄かった。マフィの突破にサンウルブズも脱帽 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 高校卒業後に来日したマフィは、決して強豪とは言えない関西2部リーグの花園大学でプレー。その後、2014年度のトップリーグで新人ながら大活躍し、一気にスターダムにのし上がった。NTTコムのチームメイトは「フィジカルモンスター」と呼び、チームの指揮官も「世界のどこでも活躍できる」と手放しで称賛するなど、現在28歳のマフィは日本ラグビーで大きく育った選手のひとりと言えるだろう。

 当時、日本代表を率いていたエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)も、「Xファクター(特別な能力を持った選手)」「ギフト(神様からの贈りもの)」とマフィの能力を絶賛し、すぐに日本代表へと招集した。ただそのとき、U20トンガ代表歴もあるマフィは母国での代表のことも考え、大いに悩んだという。

 しかし2014年11月、日本代表の「桜のジャージー」で戦うことを選択。そしてエディー・ジャパンからジェイミー・ジャパンになっても、マフィは日本代表として献身的に身体を張り続け、現在までキャップ数は19を誇っている。

 来日して8年が経ち、マフィは日本人女性のあずささんと結婚、さらに2016年9月には長男・レオ海琉(かいる)君も誕生し、すっかり「日本を自分の国だと思っている」と語る。そのため、今回のサンウルブズ戦はマフィにとって、第二の故郷である日本で戦う特別な試合だった。

 前日練習でマフィは、複雑な心境を吐露しつつも、胸を高鳴らせていた。

「初めて(日本代表の)仲間と戦うのはおかしいかなと思ったけど、FL(フランカー)リーチ(マイケル)や(NTTコムの)チームメイトのLO(ロック)/No.8ブリッツもいるので対戦が楽しみ。

 ただ、自分はレベルズのために、勝つようにがんばります。サンウルブズはスピードやクイックタップ(チョン蹴り)で攻めてくるが、セットプレーはあまり好きじゃないチーム。だから(自分は)フィジカルでラインブレイクをいっぱいして、トライを獲れたら(うれしい)」

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