「敵にいる日本代表」は凄かった。
マフィの突破にサンウルブズも脱帽

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 アマナキ・レレィ・マフィ――。この名前を覚えている人も多いだろう。2015年、イングランドで行なわれたラグビーワールドカップ。日本代表が南アフリカ代表を倒した「世紀の大金星」で、身長189cm・体重112kgの身体を活かした突破力を武器に勝利に貢献した、あのNo.8(ナンバーエイト)だ。

トンガ出身のアマナキ・レレィ・マフィが第二の故郷で大暴れトンガ出身のアマナキ・レレィ・マフィが第二の故郷で大暴れ 3月3日、日本を本拠地とするサンウルブズは同じオーストラリア・カンファレンスに所属するレベルズを東京・秩父宮で迎え撃った。そのレベルズに在籍しているのが、日本代表のマフィだ。マフィは日本のトップリーグを戦いながら、昨年からメルボルンを本拠地とするレベルズでもプレーしている。

 つまり、マフィはラグビー日本代表に選ばれている選手のなかで唯一の「海外組」である。今回、日本代表のチームメイトが多く在籍しているサンウルブズと初めて対戦することになったというわけだ。

 2015年のワールドカップで大活躍したことにより、マフィには海外チームから多数のオファーが舞い込んだ。マフィは「自分を一番評価してくれるチームに行く」と公言し、NTTコミュニケーションズでプレーしながら1年の半分を2016年はイングランドのバースで、そして2017年からスーパーラグビーのレベルズで研鑽を積んでいる。故郷のトンガにも距離的に近いため、家族と静かに暮らせるメルボルンは大いに気に入っているという。

 昨年、マフィは最下位に沈んだレベルズのなかで15試合すべてに出場し、184回のボールキャリーで合計1378mを走り、スーパーラグビーの「ベスト15」、さらにはオーストラリア国内における「スーパーラグビー最優秀賞」を受賞した。スーパーラグビーの舞台が水に合っていたようで、ワールドカップに続いて世界のラグビーシーンに大きなインパクトを与え、今やすっかりレベルズの顔のひとりだ。

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