「今季いちばん怒られた男」が悔しさをバネに、サントリーV2に貢献 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

「今季はタックルにこだわってきた。全体練習後にチームで一番タックルのうまいWTB長友(泰憲)さんとタックル練習をやってきて(コツや感覚が)掴めてきた」(中村)

 ようやく大舞台で存在感を示せた中村だが、過去には悔しい経験を何度も味わっている。昨季はリーグ戦で15試合中11試合に出場したものの、日本選手権・決勝への出場は叶わなかった。今季もギタウが加入し、リーグ戦に出場したのは13試合中8試合。先発はわずか3試合だけだった。

 また、日本代表でもつらい経験を重ねた。昨年はサンウルブズのメンバーに招集されず、3月に行なわれた代表候補合宿に追加招集されるも、当初はメンバー外だった。

 昨年秋のテストマッチシリーズでは、「SOとCTBの両方でプレーできる選手」として日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)から声がかかり、世界選抜戦では「12番」を背負った。だが、指揮官を満足させるプレーができず、その後の強豪国との3試合で出場時間をもらうことはできなかった。

 だが、中村はクサることなく、努力を続けた。

「悔しい気持ちをエネルギーに変えて、もう1回、自分を改めて見つめ直し、サントリーで練習しました。確実にレベルアップしていると思います」(中村)

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