さあ花園。東福岡の「飛び級ラガーマン」を止められるヤツはいるか? (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 昔から桐蔭学園は選手個々の「判断(ジャッジメント)」を重視しているチームで、今年度のチームもSH(スクラムハーム)小西泰聖(たいせい/2年)とSO田村魁世(かいせい/3年)を軸にボールを動かし、相手のディフェンスを意図的に崩すのがうまい。今年度のチームはPR細木康太郎(3年)を筆頭にFWにも体格のいい選手がそろっており、停滞したときやゴール前からでもFWでトライが獲れる強みもある。

 桐蔭学園を率いる藤原秀之監督は、今年度から花園の登録人数が25人から30人に増えたことを歓迎している。決勝を見据えながら、選手を休ませつつターンオーバーしながら計5試合を戦い抜こうと考えているはずだ。

 また、3つ目のAシード校である京都成章(京都)も高校日本代表候補に7人が選出されていることでもわかるように、花園で優勝する力を十分に持つチームである。春の近畿大会は大阪桐蔭(大阪)と引き分けて同時優勝し、春の選抜大会ではU18年代の国際大会に中心選手が2人招集され、かつケガ人も多く抱えるなかで、初めて全国大会のファイナリストとなった。

 今予選の決勝では、テレビドラマ『スクール☆ウォーズ』のモデルとなった伏見工業・京都工学院を逆転で下して花園の切符を獲得。「伏見工業」という名前で最後のシーズンを迎えた相手だけに、プレッシャーがかかっていたことは容易に想像できるが、しっかりと勝利して地力のあることを証明した。

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