ラグビー早稲田大、初戦敗退で号泣。創部100周年の日本一はあるのか (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 それらが大きく影響し、ディフェンス強化に時間を割きたい春先のチーム作りは否応なしに遅れた。

 春季大会(Aグループ)では流通経済大にしか勝てず、帝京大、明治大、東海大などに敗れて最下位に終わる。さらに夏の合宿でも、8連覇中の王者・帝京大に0-82、東海大に5-52と大敗し、ファンをおおいに心配させた。

 それでも監督は「想定どおり」と強気に語っていた。そのわけは、アタックの落とし込みはタクトを握る岸岡がU20日本代表の遠征から戻ってきてから、という計画を当初から立てていたからだ。

 その言葉どおり、夏合宿ではアタック中心の練習を重ねて徐々に手応えを掴み、9月に開幕した対抗戦では帝京大に前半14-21と善戦。最終的には21-40で負けたものの、コンタクトで対等に戦える時間が増え、2年生ハーフ団を中心としたテンポのいいアタックには目を見張るものがあった。

 そして迎えた大学選手権。FB(フルバック)野口竜司(4年)やNo.8(ナンバーエイト)/SOアタアタ・モエアキオラ(3年)、No.8テビタ・タタフ(3年)ら日本代表経験者5人を擁する東海大を相手に、前半は11-21で折り返す。相手の強みであるモールやディフェンスといった長所を出させないように戦い、「想定内」(山下監督)で後半へ突入した。

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