ラグビー早稲田大、初戦敗退で号泣。創部100周年の日本一はあるのか (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 2018年の創部100周年での日本一を視野に入れ、2016年にOBの山下大悟氏を監督に招聘。清宮克幸監督時代に大学選手権で優勝を経験し、サントリーなどでプロ選手として活躍した山下監督は、「BE THE CHAIN(鎖になれ!)」をスローガンに掲げ、さまざまな改革を断行してきた。

 グラウンド外ではジャージーのデザインを変えたり、新潟の新ブランド米「新之助」の提供を受けたり、さらには選手強化の資金を捻出するためにクラウドファンディングを行なったりと、その改革は多岐にわたる。また、山下監督は自身も含めて11人のフルタイムコーチで指導する体制を整え、「ブレイクダウン(接点)」「ディフェンス」「スクラム」を強化の3本柱に据えた。

 就任1年目の2016年度は対抗戦6勝1敗で2位となり、大学選手権は準々決勝で同志社大に31-47と惜敗。要所で健闘を見せたことで、2年目の今年はどこまでチーム力が伸びるか、その手腕に注目が集まった。

 ところが、今シーズンの早稲田は春から決して調子がいいとは言えなかった。

 その原因として挙げられるのは、スクラムやラインアウトといったセットプレーを支えるLO(ロック)桑野詠真(えいしん/現・ヤマハ発動機)などFW前5人に前年度は4年生が多く、彼らが卒業した今年はイチからチームを作り上げないといけなかったこと。そして、U20日本代表にハーフ団のSH(スクラムハーフ)齋藤直人(2年生)やSO(スタンドオフ)岸岡智樹(2年生)などBK陣が4人も招集されたことだろう。

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