世界で戦ってきた吉田義人は、
今のラグビー日本代表をどう見ているのか

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji


 あとがきにも書きましたが、ずっと応援してくださっている方々にも、ぜひ読んでほしいです。きっと僕のことはずっと見ていただいているからご存知でしょうし、いろいろなインタビューなどで自分を語ってはきましたが、どうしてもそれだと断片的になってしまうので、この本で「吉田義人はこういう人間だ」と再認識してもらえれば、嬉しいですね。 ですが、「えっ?」と驚かれることも、もしかしたらあるのではないでしょうか(笑)。

 また、僕の息子が大きくなった時にこの本を読んで「いろいろ話はしてきたけど、親父はこういう考えを持ってラグビー人生を歩んでいたんだな。息子として生まれてきてよかった」と感じてほしいという気持ちもありますね。
 
 ――先ほど、吉田さんの話にも出ましたが、2019年にラグビーワールドカップが日本で開催されます。日本代表でも2度ワールドカップに出場し、解説もされている吉田さんには今の日本代表はどう見えていますか?

 2015年のラグビーワールドカップで前ヘッドコーチのエディ・ジョーンズが結果を出しました。彼は自身が日本人の血を引いていることもありますが、日本のことをよく理解し、さらに勉強していたと思います。

 それで、『侍アイ』や『忍者ボディ』、そして『ジャパン・ウェイ』とオリジナリティのあるわかりやすい言葉で、チームの強化に励み、すごくいい流れを作ったと思います。

 そして、2016年、指揮官はニュージーランド出身のジェイミー・ジョセフに変わりました。僕は日本で在籍していたサニックスのチームメイト(現・宗像サニックス)だったり、世界選抜に共に選出されてプレーしたこともあり、彼のことをよく知っています。ジェイミーらしい色を出していければ強くなっていくと思いますが、あとワールドカップ開幕まで2年を切りました、少し時間が足りないのではないかと心配もしています。

 他のライバル国も『エリス杯』を目指し、日本と同じか、もしくはそれ以上のスピードで強化を進めていると思いますので、決勝トーナメントに進むためには、選手とスタッフが心をひとつにして、すべての皆様の期待と応援を励みとし力に変えて、これから急ピッチでチームを確立させていかなければならないでしょう。

3 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る