ラグビー日本代表のスーパーサイヤ人、レメキが世界選抜戦でパワー炸裂 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 また、JISS(国立スポーツ科学センター)でリハビリをしていたときには、サッカーやバスケットボール、バレーボールなど他の競技の代表選手から大いに刺激を受けたという。サッカー日本代表の長谷部誠とも一緒にリハビリを行ない、スポーツ以外の話も交えながら親交を深めた。

 走れない期間に上半身を鍛えたことで、体重も2~3kgほど増加。術後3ヵ月で走れるようになり、7月上旬から本格的に復帰を果たした。靭帯断裂からわずか半年での復帰は驚異的なスピードに思えるが、本人は「みんな早いと言いますが全然大丈夫!」と意に介さない様子。そしてホンダで試合を重ねて実戦を踏み、ふたたび日本代表復帰となった。

 代表招集時のフィットネステストではチームトップタイの記録を叩き出し、ベンチプレスもBKながら150kgの重さを3度上げるなど、レメキはすっかり1年前の身体を取り戻しつつある。ジョセフHCもレメキの仕上がり具合に驚き、「WTBだけでなくCTB(センター)やFBでもプレーをさせるかもしれない」と期待を膨らませた。

 ただ、ジョセフHCが標榜するラグビーのクオリティは高い。ボールを広く大きく動かしつつ、同時にキックも巧みに絡めて使うため、WTB陣には個の能力が求められる。トップリーグ・トライ王の山田章仁(パナソニック)、スピードスターの福岡堅樹(パナソニック)、複数のポジションでプレー可能な松島幸太朗(サントリー)、そして2015年W杯経験者のマレ・サウ(ヤマハ発動機)と、このポジションで先発の座を奪うのは簡単なことではない。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る