ラグビー早稲田大、9年ぶりの大学日本一へ2年生コンビが引っ張る (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 2年目のシーズンを迎えて、小柄な身長165cmの齋藤は自信を深めているようだ。

「あまり緊張しなくなった。(早稲田大の)戦術にも慣れてきて、去年より落ち着いてプレーできている。接点の強い相手に対し、テンポを出せてトライを獲れた」

 ただ、これから待ち受ける帝京大、慶應大、明治大ら強豪チームとの試合に向けて、齋藤に気の緩みはない。MOMに選ばれながらも「ゲームコントロールはまだまだ。きつい状況でも、いい判断できないと意味がない」との反省を口にしていた。

 一方、司令塔の岸岡は判断のいいアタックや鋭いランを見せたものの、本来のプレーを発揮できない時間も多かった。ミスをした直後の後半25分、この試合最初の選手交替に岸岡は呼ばれている。

「(岸岡は)1本だけ走ったが、後はプレーの選択も遅い。もう少しプレッシャーのなかでしっかりしたプレーができないようだと(10月28日に対戦する)帝京大相手には厳しい」

 山下監督は大きな期待をかける岸岡に、さらなる厳しい注文をつけた。

 8月に南米ウルグアイで行なわれたU20世代の国際大会で、岸岡は4試合すべてに先発。中心選手としてSOやCTBの役割をこなし、日本代表を2部大会から1部大会に上げる立役者となった。その多忙なスケジュールによってチームと合わせる時間が取れなかったことや、身体的・メンタル的な疲れもあったことは否めない。

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