日本のフルバックは譲らない。松島幸太朗がストイックにパワー増強中 (2ページ目)

  • 向風見也●文 text by Mukai Fumiya
  • 井田新輔●写真 photo by Ida Shinsuke

 ジンバブエ人の父と日本人の母を持ち、神奈川・桐蔭学園高校時代からゴムボールが弾むような走りで注目を集めた。卒業後は日本の大学には進まず、南アフリカのシャークスアカデミーに武者修行に出て、同国の20歳以下代表に選出されかかるほど成長した。

 2013年にエディー・ジョーンズがヘッドコーチを務める日本代表に選ばれる。希望するフルバックのポジションに五郎丸が君臨するなか、松島はセンターやウイングなどで才能を発揮してきた。

 2015年のW杯では、過去優勝2回を誇る南アフリカ代表と初戦で対戦。松島は「知っている選手が多かった」と平常心で臨み、鋭いランで後半29分の五郎丸のトライをアシストするなど、歴史的勝利(34-32)に貢献した。

 その後、2016年の日本代表ツアーでは、7試合中6試合をフルバックとして出場した。

 昨季は、サントリーの一員としてトップリーグを15戦全勝、さらに日本選手権も制するなど、国内タイトルを総なめ。シーズン終盤、本来ならオフに行なう筋力強化メニューに着手したのは、国際舞台でより存在感を示すための挑戦だった。

 W杯イングランド大会終了後、日本ラグビー界は新たな局面を迎えた。8月から翌年1月まで国内リーグが続き、2月から7月まで国際リーグである「スーパーラグビー」に日本のサンウルブズが参戦することになったのだ。多くのトップ選手が、ほぼ無休の戦いに身を投じることとなった。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る