ヤマハ悲願の初優勝へ。五郎丸歩は「新ルーティン」なしのスタート (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

『五郎丸』と書かれた旗もスタンドで揺れるなか、ヤマハ発動機の「15番」はやや緊張した面持ちでスタジアムに入ってきた。五郎丸にとって公式戦はフランスリーグの今年3月以来。トップリーグでは2シーズンぶりの出場となったが、「15番をつけて久しぶりにヤマハでプレーできることがうれしかった」という。

 そしてキックオフ。開幕前にヤマハ発動機の清宮克幸監督は、五郎丸の復帰について「(チーム内の)化学反応を期待したい」と言っていた。はたして、その効果はどうだったのか。

 昨シーズンは惜しくもタイトルに手が届かず2位に終わり、今シーズンこそは悲願の初優勝を目指すヤマハ発動機は、雨のなかでもボールを動かすラグビーで攻撃を仕掛けた。だが、トヨタ自動車のディフェンスも激しく、規律あるプレーで反則を犯さなかったこともあり、五郎丸にプレースキックのチャンスは回ってこない。

 それでも雨が止んだ前半33分、五郎丸は自陣での相手の反則から50mのタッチキックを見せてチャンスを演出。さらに相手のキックに対しても、FBらしいフィールディングで試合を落ち着かせていた。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る