代表100キャップ、2019年W杯へ。不屈の男・大野均は終わらない (4ページ目)

  • 向風見也●文 text y Mukai Fumiya
  • photo by Nagao Aki/AFLO

 長い代表歴のなかで、周りの選手に声を荒げたこと、激しい自己主張をするは少なかった。練習でも試合でも、ただ泥臭く働いた。

 近年は東芝でも控えに回ることが増え、国際リーグのスーパーラグビーに参加しているサンウルブズでも、今季序盤は戦列を離れた。それでも代表チームのピンチに颯爽とフィールドに戻ってきた。

 6月12日、静岡の練習は多くのファンに見守られた。練習後、自分より年下の選手たちがサインや写真撮影に勤しむ姿を見て、大野はしみじみとこう語った。

2019年のW杯が日本ということで、チームからは『自分たちが主役になるんだ』という気概を感じます。すごく応援してもらっているのが周りから伝わってきます。いやが上にも気合いが入る。今日も平日の昼間にもかかわらず、こんなに人が集まってくれて......。ちょっと前のジャパンではなかったことです。これだけでも選手のモチベーションは変わります」

 だがこの直後、予期せぬ事態が待っていた。14日に大野の一時離脱が発表されたのだ。理由は負傷によるものだった。確実視されていた17日のベンチ入りはならず、100キャップ達成も遠のいた。

 それでも、これまで多くの苦難を乗り越えてきた大野だからこそ、このままでは終わらないだろう。代表100キャップ、2019年W杯日本大会......まだまだ"主役"の一員であり続けたいと願っているはずだ。

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