五郎丸歩のRCトゥーロン移籍は失敗だったのか? 現地での本当の評価 (6ページ目)

  • 小川由紀子●文・写真 text & photo by Ogawa Yukiko

 トゥーロン取材歴20年のベテラン、地元ヴァール・マタン紙のポール・マッサボ記者も高評価を与えた。

「ホームで初先発の試合としては上出来だった。的確に求められる仕事をこなしていた印象。ハーフペニーが戻れば、彼とのポジション争いになる。ハーフペニーの方が欧州のラグビーには慣れているが、ケガで長期欠場した後、彼はキックでのリリースの感覚がいまひとつ戻っていない。そのプレーに関しては、今日の試合ぶりを見ても、五郎丸のほうが優っている印象を受けた。今後はプレースキックでの活躍も見てみたい」

 五郎丸は試合の課題を口にしつつも、先発フル出場できたことを喜んでいた。

「初めてトゥーロンのファンの前でプレーできたことを非常にうれしく思いますし、15番をつけて80分間できたことを本当にチームメイトに感謝したい。

 コンタクトプレーが多いこと、セットプレーを重視していることはフランスラグビーの強みだと思いますし、昔ながらの男らしいラグビーをしているな、という気がします。今日は状況判断で裏へ蹴るケースが多かったですが、(自分の)判断はそれほど間違っていなかったと思います。ただキックの精度はまだまだ上げられる部分があると思うので、次に向けてまたしっかり練習したい。プレー自体に良し悪しはありますけど、まずは15番をつけてピッチに80分間立ったことはうれしかったですね」

 リーグはすでに中盤戦に突入していたが、五郎丸は着々とキャリアを重ね、チームの一員として存在感を増していたように見えた。ただ、ことは順調には進まなかった。

(つづく)

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