ラグビー日本代表入りを熱望する、サンウルブズの「外国人3人衆」 (2ページ目)

  • 向風見也●文 text by Mukai Fumiya
  • photo by Getty Images

「決して後退しない」と激しいタックルで相手を次々と倒し、密集戦で相手の持つ球に絡む"ジャッカル"というスキルも駆使する。体を張って防御する姿は、それだけでチームメイトやファンを魅了する。今季は、日本代表の立川理道(たてかわ・はるみち)とともに主将を務めるなど、信頼も厚い。

 グラウンドでは激しいプレーを繰り返すカークだが、普段は仲間とじゃれ合い、練習を終えると出待ちする女性ファンに「アリガト! You're beautiful」と声をかけるなど、明るい性格でチームを盛り上げる。

「ラグビーは楽しむためにやっている。ただ真剣にやるだけではなく、エンジョイも大事」

 生まれ育ったオーストラリアでは、レッズの一員としてスーパーラグビー39キャップ(公式戦出場)を獲得したが、2015年は膝の故障などもあり、契約を結べなかった。来日を決めた背景には、心機一転の思いがあった。

 ラグビーの場合、国際ルールにおいて外国人選手の出場が認められており、日本国籍を持たない選手でも以下の条件のうちどれかひとつでもクリアし、また他国で代表選手になっていなければ日本代表の一員になることができる。

・ 出生地が日本

・ 両親、祖父母のうちひとりが日本人

・ 日本で3年以上、継続して居住している

 カークは過去に20歳以下オーストラリア代表、7人制オーストラリア代表など母国の代表に準ずるチームに入ったことがある。そのため日本代表への道のりは簡単ではないが、次のように語る。

「環境が許せば(日本代表入りへ)手を挙げたい。ただ、それがかなわなくてもサンウルブズでプレーしたい。日本は、私のラグビー観に新しい角度を与えてくれた」

 前年度はかなわなかったトップリーグ入りも視野に入れ、まずはサンウルブズで懸命のプレーを見せる。

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