スーパーラグビー開幕。サンウルブズがW杯の日本代表強化に直結する (3ページ目)

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji

 2年目にして、2019年のワールドカップに向けて、こうした理想的な状況を作ることができたのは、ひとえに昨年9月、日本代表の指揮官にジェイミー・ジョセフ氏が就任した影響が大きい。現役時代はNZ代表、そして日本代表(※当時は2つ、3つの国にまたがって代表選手になれた)でもプレーしたジョセフHCは、2015年にハイランダーズ(NZ)をスーパーラグビー初優勝に導いた、世界も日本も知る名将だ。

 サンウルブズの指揮は、昨年のコーチだったフィロ・ティアティアHCが執るが、他のコーチ陣は日本代表のコーチ陣が兼務し、戦略、戦術は日本代表と共有する。と同時にジョセフHCが、サンウルブズを日本代表の強化の礎に置き、「チームジャパン2019総監督」という立場で、サンウルブズを含めた日本代表の強化、育成にあたることになった。

 常に、日本代表の指揮官が目を光らせており、年間試合数などを含めて選手の身体的、メンタル的コンディションに配慮しながらも、サンウルブズで活躍すれば、すぐに日本代表に招集される環境になった。"2019年"への道筋が選手にとってもファンにとっても明確となったのだ。

「フィロ(・ティアティア)とはこの3ヶ月間、コミュニケーションを取ってきました。サンウルブズが強くなればなるほど日本代表も強くなるので、連携には重きを置いてやっています。トップリーグ、サンウルブズ、日本代表があり、試合数が多い選手がたくさんいるので、選手ごとに、そのあたりを調節するのが自分の役割だと思っています」(日本代表ジョセフHC)

 サンウルブズの遠征メンバーは27名で、メンバー外となった選手とトップリーグなどの若手選手は、国内でジェセフHCのもと合宿することも決まっており、サンウルブズ、そして日本代表の底上げも図る。

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