サントリー相手に今季最多4トライ。帝京大が示した「学生王者」の誇り (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 すると、サントリーの選手のギアが一段階上がる。帝京大の弱みであるラインアウトからのモール、そしてスクラムでトライを重ね、すぐさま突き放しにかかった。元オーストラリア代表FLジョージ・スミス、2015年ワールドカップメンバーのPR(プロップ)畠山健介、SH日和佐篤(ひわさ・あつし)らを投入し、後半だけで5トライの猛攻。帝京大もFB尾﨑の突破からチャンスを作り、WTB吉田が2トライ目を挙げるも、反撃はそれが精一杯だった。

 終わって見れば、54-29。社会人王者が学生王者を圧勝で下した。しかしながら、今シーズン初めてサントリーから4トライを奪うなど、帝京大は持っている力を十二分に示したと言えるだろう。試合後、帝京大の選手たちはこの試合が最後となった4年生だけでなく、3年生以下も目を赤くしていた。1年間、「打倒トップリーグ」を掲げて本気のチャレンジをしてきたからこその悔し涙だった。

 帝京大OBのサントリーSH流キャプテンも、「僕が大学4年生のときに1~2年生だった選手が出ていた。本当に成長している選手が多くて、すべての選手がすばらしかった。3年生も泣いている姿を見て、来季はもっと強くなると思いました」と、後輩たちの成長した姿に感銘を受けていた。

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