絵筆から楕円球へ。「花園」を駆けた白谷ドンジョとは何者なのか? (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 合同チームで臨んだ三重県の花園予選は、1回戦で三重高に0-71で大敗。それでも、夏の「KOBELCO CUP」で東海ブロックの選手のひとりとしてセレクターの目にとまり、白谷は見事に「もうひとつの花園」への切符を手に入れた。

「(ケガをしていて)花園予選では前半で替えられてしまったので、(対抗戦では)その悔しさを晴らしたいと思っていました」

 そんな白谷は、花園でプレーすることはもちろん、実際にスタジアムに足を運ぶのも初めてで、「試合前は緊張しました。空気感もすごかった」と興奮気味に振り返る。混成チームのため、練習はたった2日。選手の人数が多く、もともと前半30分だけの出場と決められていたが、白谷は見事にプレッシャーをはねのけてトライを挙げるなど、存在感を示した。

「絵を描くのも楽しかったんですが、もう諦めました」という白谷は、大学でもラグビーを続ける決意を固めた。春からは、東海学生ラグビーリーグA2(2部)に所属する名古屋経済大に進学する。昨年は入替戦に出場したものの、惜しくもA1(1部)に昇格できなかったチームの一員になることに対して、白谷は「何とかA1に上げたいですね!」と早くも意気込んでいる。

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