2019年ラグビーW杯まで1000日。
「今やってほしい5つのこと」

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

「日本代表マッチの制限」「トップリーグの地域色」「大学ラグビー改革」「選手登録の特別枠制度」。以上、これまで4点の課題を挙げてみた。そして、最後の5つ目は「日本人指導者の質の向上」だ。

 日本人初のスーパーラグビープレーヤーとなったSH(スクラムハーフ)田中史朗は、ことあるごとに日本人指導者のコーチングの質や、レフリングの質の向上を訴えている。事実、エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)はタックル練習を、本当の基礎の基礎から行なっていた。「日本代表は育成機関ではないが、そうせざるを得なかった」とジョーンズHCは当時について語っており、ジェイミー・ジャパンで共同キャプテンを務めるCTB(センター)立川理道も、「エディー・ジャパンになって初めてタックルを習った」と言っていたほどだ。

 日本伝統の「低いタックル=チョップタックル」は、あくまでもスキルのひとつ。ニュージーランドなどの海外ではケガの可能性が高いため、「ひざ下にタックルしろ!」とは絶対に指導しない。サントリーに在籍している世界的トップ選手のジョージ・スミスも「一度もそう教わったことはない」と断言し、12月にニュージーランド代表が来日して子どもたちにクリニックを行なったときも「腰から上にタックルして!」と指導していた。

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