それぞれの怖さ。主将・立川理道が語る「エディーとジェイミーの違い」 (6ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 谷本結利●撮影 photo by Tanimoto Yuuri

 エディー・ジャパンでは、ボールを継続しながらトライを狙うためにコンタクトの回数は多く、身体的な負担、疲労度も大きかった。その分、フィジカルを徹底的に鍛えることも欠かせなかった。一方のジェイミー・ジャパンでは、キックをうまく使うことで手数をかけずにトライを狙う。その結果、肉体的な疲労度がさほど大きくならないので、最後までしっかりと戦うことができるというわけだ。これが、ハイランダーズ時代の3年間、ジェイミーHCに薫陶を受けたSH田中がいう「スマートなラグビー」なのだろう。

 ウェールズ戦ではほぼ互角に戦えたことで、最終戦のフィジー戦でも同じ戦い方で挑んだ。しかし、25―38で敗戦してしまう。立川は「ウェールズとのビッグゲームの後で、自信も掴めていましたが、モチベーションとしては難しかった。ジェイミーからリーダー陣に、そういう難しい状況をコントロールしてくれと言われていましたが、僕自身もキャプテンのひとりとしてコントロールできなかった」と言う。11月の4連戦は収穫があったものの、課題も残る結果だった。

 2017年、日本代表は6月にホームでアイルランドと2試合を戦い、11月にはオーストラリアとも激突する。エディー・ジャパン時代は長期合宿をすることで強化を図ったが、昨年から強化のベースはスーパーラグビーに参戦するサンウルブズとなった。現在発表されている来年のサンウルブズのメンバーは、40人中23人が11月の日本代表メンバーと重なり、今年以上に連携が図られることになるだろう。もちろん、立川もその中心として名を連ねている。

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