それぞれの怖さ。主将・立川理道が語る「エディーとジェイミーの違い」 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 谷本結利●撮影 photo by Tanimoto Yuuri

「エディー・ジャパン」はジョーンズHC自体が強烈なり-ダーシップの持ち主として確立していた一方、「ジェイミー・ジャパン」のジョセフHCは対話を好み、積極的にコミュニケーションを図り、リーダー陣と一緒にチームを作り上げていくというスタイルを好む。その分、リーダー陣の責任は大きくなるため、共同キャプテン制を採用した意図にもつながる。

 また、ジョーンズHCは2012年春、練習初日に「2015年のワールドカップで世界のトップ10に入る」と、選手の前で明確な目標を定めた。対するジョセフHCは、就任から11月の国際試合まで時間がなかったこともあるが、とにかく戦術の構築に努めた。「2019年のワールドカップに向けてリーダーを育成したいということは話していましたが、明確に目標とかは言わず、この1ヵ月でどんなラグビーができるかということにフォーカスして、シンプルにポジション別に役割を理解させ、選手はそれを実行していました」

 もちろん、オーストラリア人のジョーンズHCとニュージーランド人のジョセフHCでは、目指すラグビーにも明らかな違いがある。

 ジョーンズHC時代は、「ジャパンウェイ」と掲げられたランとパス主体のラグビーであり、「シェイプ」と呼ばれるユニットを重層的に配置しつつ、パスとランでボールをキープし続けて相手ディフェンスの隙を狙い、トライを取るラグビーだった。ただ、キックは自陣の奧深くから蹴ることはあっても、その数自体が少なかった。

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