接戦必至の早明戦。どちらも勝負の
決め手は「ルーキー」が握っている

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 さらに今年のメンバーには、部員が100名ほど在籍する明大において、ふたりのルーキーが主力として定位置を獲得している。それは、報徳学園高出身のWTB(ウィング)山村知也と、國學院栃木高出身のHO(フッカー)武井日向だ。

 山村はこの春、大学1年生ながらU20日本代表にも選出された逸材で、鋭いステップとスピードが武器。対抗戦5試合に出場して11トライを挙げているトライゲッターだ。一方、武井はもともとNo.8だったが、将来を見据えて大学からHOに転向。身長172cmと小柄だが身体が強く、トライの嗅覚も優れている。HOは明大の看板ポジションのひとつだが、ルーキーの武井はここまで6試合すべてに先発している。

 秋から冬にかけて徐々に力をつけてきた明大に対し、早大はどうだろうか。早大は今年、2018年に創部100周年を迎えるにあたり、日本一奪回に向けてグラウンド内外で大きな改革を進めた。

 まず、カリスマ的な主将として大学日本一を経験し、サントリーなどで活躍して日本代表候補にも選出された同校OBの山下大悟が監督に就任。スローガンに「BE THE CHAIN(1本の強い鎖になれ!)」と掲げ、ジャージのデザインも一新した。

 さらに山下監督は、大学の同期ふたりをコーチに招聘。國學院栃木高で長く指導歴のある古庄史和をヘッドコーチ、ヤマハ発動機やリコーでプレーした伊藤雄大をスクラムコーチに置いた。また、管理栄養士やレスリングコーチなど計11名ものフルタイムスタッフ体制を作るなど、環境面の整備も推進している。

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