ラグビー日本代表の新個性。「小兵フランカー」は強豪国にも負けない (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 小学校1年からラグビーを始めた松橋は、主にBKとしてプレーしていたという。市立船橋高に進学し、花園こそ出場できなかったものの、千葉県の公式戦で14年間無敗だった強豪・流通経済大柏高の連勝を135で止めたときのキャプテンだ。明治大に進学すると、1年生時から活躍。突破役として目立っていたが、ケガの影響もあり、明治大では完全燃焼できなかった印象がある。

 松橋は社会人に入る前の今年2月、オーストラリアのブランビーズに留学した。期間は1ヵ月だったが、トップ選手と練習を積むことで、「海外選手のスピード、フィジカル、強さをそれまで経験したことがなかったので、それができました」。こうした努力が今年のトップリーグ、そして今回の国際舞台での活躍につながった。

 リコーではNo.8でプレーしているが、ジョセフHCからは「7番・8番の両方で考えている」と言われたたという。「僕の強みを生かせるのは、ジャッカル(※)もしなければいけない7番のほうだと。No.8とそんなに違和感はないですし、そんなに負担にはならない」と言っていたとおり、出場した3試合ではトライこそ挙げられなかったものの、ボールを持ったらしっかりと前に出て、得意のジャッカルも見せた。

※ジャッカル=タックルを受けて横たわっている選手に対し、上半身を覆いかぶせてボールを奪い取るプレー。猛獣に襲われた動物の肉を漁るジャッカルのような動きをしていたジョージ・スミス(サントリー)の愛称が由来。

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