ラグビー日本代表の新個性。「小兵フランカー」は強豪国にも負けない

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 2019年のラグビーワールドカップに向けて、元日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)が就任し、新たなスタートを切ったラグビー日本代表。11月に行なわれた国際試合では、アルゼンチン代表(20-54)、ジョージア代表(28-22)、ウェールズ代表(30-33)、フィジー代表(25-38)と対戦し、1勝3敗という結果に終わった。ただ、敵地のウェールズ戦で終了直前まで同点という善戦も演じ、手応えと自信を得た船出となったといえる。

日本代表メンバーのなかでも決して大きくない布巻峻介(中央)日本代表メンバーのなかでも決して大きくない布巻峻介(中央) そんな「ジェイミー・ジャパン」こと新生ラグビー日本代表で特筆すべきは、FL(フランカー)のポジション「7番」を、世界的に見れば「小兵」である日本人選手が背負ったことだった。

「6番」「7番」のFLと、No.8(ナンバーエイト)3つのポジションは、「第3列(バックロー/サードロー)」と称される。常に接点の近くでプレーし、タックルやボールキャリアなどを繰り返し、フィジカルはもちろんのこと、機動力と運動量も求められ、ラインアウトのジャンパーも務めることがある。そのため、世界の強豪では身長190cm以上、体重100kg以上のアスリートがこのポジションに集まる。

 ジョセフHCも、2015年のワールドカップで3勝を挙げたエディー・ジャパンの強みは「第3列だった」と振り返っている。ただ、11月の国際試合では昨年のレギュラー格だった選手が参加しなかったこともあり、「新たなリーチ(マイケル)、ツイ(ヘンドリック)らを探さなければならない」と、キッパリと明言していた。

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