対抗戦6連覇も「満足せず」。帝京大の進撃はどうにも止まらない (4ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  photo by Kyodo News


「(代表を)経験したことで、まだ自分が力不足だったり、余裕がないことだったりに気づきました。シンビンももらいましたし、それは教訓になっています。大学の試合でも自分にプレッシャーをかけてやっています」

 松田の長所のひとつが向上心である。誠実さである。こういった選手は伸びる。試合前日、英国カーディフであった日本代表×ウェールズ戦はもちろん意識していた。日本時間深夜とあって、「見てしまうと寝られなくなると思って」生中継は見ることなく、録画ビデオを見ることにしたそうだ。

 松田は卒業後、パナソニックに進む予定。日本代表入りし、2019年ワールドカップ(W杯)での活躍を目標に置く。

 志が高いからだろう、ハングリーな松田はこの日の自身のプレーには満足していない。

「大事なことは、ひとつひとつのプレーの精度もそうですし、それを高めていく中での判断力もそうです。まだ、すべての面で満足できるレベルじゃありません。もっともっと上げていきたい」

 帝京大としての目標は『日本一』である。全国大学選手権では前人未到の8連覇、さらには日本選手権初制覇。そのカギは?

「自分たちが、慢心せず、満足せず、ひとつひとつ丁寧にプレーしていくことです。一日一日を大事にして、練習を積み重ねていくことが一番のカギだと思います」

 魂のセービングに象徴される、基本プレーの徹底。慢心せず、と言い切る学生の謙虚さ。さらにはチームワーク。もう帝京大の進撃は止まりそうにない。
 

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