ラグビー平尾誠二が25年前に語った「子どもたちに伝えたいこと」 (7ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by AFLO

 それが中学生になってクラブに入ると、球拾いばかりで野球をやらせてもらえず、そのうえ坊主にしろと管理される。このまったく違う世界を、僕らより前の世代は当たり前だと思っていたかもしれないけど、『おかしいぞ、何でそんなことするの?』と思うようになった。これは極めて当然なことで、こういう矛盾の重なったところが、日本のスポーツなんです。

 僕は、『こんなのは、スポーツ本来の姿ではない。もっと楽しいもんや』と感じていました。スポーツの本質が崩され、『管理だ、義務だ』という方向に走ると、今度は、『連帯感だ、自己犠牲だ』とわけのわからない言い訳をする。だから、日本のスポーツはダメなんです。グラウンドでプレーするのは個人。なのに、これでは最後のところで『勝ちたい』というテンションが高まらない。日本が強くならない理由は、そこにあると思いますよ」

 これぞまさに、"平尾節"だ――。

(後編につづく)

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