【ラグビー】1年生が元気なワセダ、低迷脱出で打倒・帝京なるか (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro


 SO岸岡は高校日本一となった東海大仰星高出身で、パス、キック、ランと3拍子そろった選手として知られていた。山下新監督に誘われて、早大進学を決めた。学業も優秀。自己推薦で教育学部に入った。

 試合前は緊張したそうだが、「始まれば、落ち着いてプレーができました」という。額に汗の粒を浮かばせながら、おじさん記者の質問に丁寧に対応する。先発に1年生が5人も!?

「1年生同士なら、遠慮せず言い合えます。1年生なので、"思い切って頑張ろう"みたいな結構ラクな感じで試合に臨めました」

 記者の笑いを誘ってから、真顔でこう付け加えた。

「先輩たちが体を張ったプレーで相手を上回ってくれたので、1年生の緊張がほぐれたんだと思います」

 体作りの成果だろう、スキルを活かすフィジカルもアップした。体重は入学時から10kg増えて84kg。あこがれの早稲田の寮生活にはもう慣れたそうだ。「標準語をしゃべっています」と関西弁のアクセントで言う。朴訥(ぼくとつ)とした風情。

「関東は、関西人としての憧れみたいなものがあったんです。目標? それは帝京に勝つことです」

 他の1年生をみれば、スクラムハーフ齋藤直人(桐蔭学園)もいいテンポの球さばきをみせた。フランカー柴田徹(てつ/桐蔭学園)は地味ながら、堅実なタックルを繰り返した。フルバック梅津友喜(黒沢尻北)も無難なキック処理、的確なキックを蹴った。センターの中野将伍(東筑)は186cm、100kgの体を活かし、力強いランをみせた。

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