トップリーグ開幕! 23歳の新主将・流大が低迷サントリーを変革する (2ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro


 新チームの練習がスタートして、実は流主将の発案で始めたことがある。試合と練習の最初と最後に円陣を組み、みんなで「ワン・ツー・スリー・プライド」とコールするのだった。

「いつも自分たちのプライドを忘れずに試合や練習に打ち込んで、終われば、それができたのかを自分に問いかけ、プライドを持って次に向かおうと再確認するためです。そのプライドの中にはチャレンジ精神も入っていますし、ネバーギブアップの精神も入っています」

 サントリー・プライドをより具体的にいえば、相手より走ることもそうだし、接点でファイトすることもそうだし、1本のパス、1本のキック、1本のタックルに魂を込めることもそうだという。つまりは、流主将のモットーである『小事大事』。「どんな練習でも準備でも、小さなことの積み重ねが勝利につながるということです」と説明する。

 ラグビー界は、昨年のワールドカップ(W杯)の日本×南アフリカ戦の金星に次ぎ、先のリオデジャネイロ五輪の日本×ニュージーランド戦のアップセットで盛り上がっている。リオ五輪のその試合、流主将は深夜、ライブでテレビ観戦した。「興奮して、寝られなくなりました」と笑いながら思い出す。

「日本は勝つべくして勝ったなあと思います。ディフェンスのプレッシャーも、トライの取り方も、しっかり準備しての日本の勝ちだったので、すごいなと感心しました。何といっても、プレーにチャレンジ精神があふれていました。僕らもそうありたいですね」

 どだい、サントリーの戦力は悪くない。プロップの畠山健介、垣永真之介やロック真壁伸弥、フランカーのツイ・ヘンドリック、SH日和佐篤、スタンドオフ小野晃征、センター松島幸太朗らの日本代表勢が並び、元豪州代表の職人フランカー、ジョージ・スミスも復帰した。有力外国人選手も加わり、若手と中堅、ベテランのバランスもいい。

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