岩渕GMが語るリオのセブンズ。東京に向けてバックアップ強化を (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • photo by JMPA

 そして、オールブラックスを倒すことができた要因はなんだったのか。岩渕GMに聞くと、「とにかく最初の3分ですべてが決まると、瀬川(智広HC)ともよく話していた。とにかくボールをキープし、アタックし続けようとした」ことが勝因だと振り返る。日本のアタックは、誰でもボールを持って前に出ることができ、ふたり目は早くサポートを行ない、3人目が素早くさばいてボールを動かし続けた。前半3分12秒、後藤輝也が左隅に飛び込んでトライしたとき、選手たちは「いける!」と感じたという。

 一番の課題だったディフェンス面では、タックラーが素早く起きて7人全員が立っている状況をなるべく多く作り、相手をふたりで挟むなどの改善を図った。また、途中交代の選手がリズムを変えたり、ケニア戦ではモールをうまく使って快勝できたことも、さらに自信を深めることにつながった。岩渕GMは、「男子は、世界のなかで通じる武器がひとつではなかった。相手によって、いろんなオプションを講じることができた。そこに、男女の差がすごくあった」と指摘する。

 男子はこの2年間、メンバーをほぼ固定して合宿を敢行し、特に今年に入ってからは、「世界とどう戦うか」をテーマに、トップリーグの外国人選手、ニュージーランドのオークランド代表、そしてオーストラリア代表と練習試合を積み重ねてきた。オーストラリア代表との練習試合で勝利したことは大きな自信となり、「毎回、同じメンバーで合宿して、チームとして目指すべき方向を共有できたし、層も厚くなりました。セブンズでも世界と戦えます」と、桑水流(くわずる)裕策キャプテンは胸を張った。

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