初五輪でベスト4の快挙。
彼らは日本セブンズの進化を証明してみせた

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • photo by JMPA

 後半、日本も意地を見せる。福岡堅樹が相手をかわしてチャンスメイクすると、合谷(ごうや)和弘が50mを走りきってトライして14-21。ふたたび、1トライ・1ゴール差まで追い上げた。しかし、その後は焦りも重なって攻撃が単調になると、接点でプレッシャーを受けてターンオーバーする悪い流れとなって5トライを献上。結果、14-54でノーサイドとなった。「やっぱり負けて悔しい。アタックでも、ディフェンスでも相手のスピードが上回り、それに対応できなかった」(瀬川HC)。

 日本は惜しくもメダルに届かず、初のオリンピックを4位で終えた。だが、日本ラグビー史上に残るニュージーランド戦の勝利、さらに、セブンズだけではなく15人制も含め、国際大会では初となる「ベスト4」という快挙も成し遂げた。

 7人制ラグビー初のオリンピックで日本が結果を残せたのは、「初戦のニュージーランド戦に勝利して波に乗りました。それが大きな分岐点となった」(瀬川HC)のは間違いないだろう。桑水流キャプテンも、「初戦で先制トライすることができて、そこからみんなの表情も変わりましたし、この大会でここまで来られる要因となった」と語っている。

 また、「体力的にも、フィジカル的にも、走り勝つことで補えた」(桑水流)、「ペースを遅くしたり、セットプレーを活用したりして、うまくいっていた部分もあった」(瀬川HC)と振り返るように、準備を徹底したうえで戦略的に戦うことができたことも、リオ五輪で成功を収めた要因と言える。

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