ラグビー大国ニュージーランドを撃破。日本の快挙はこうして生まれた (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • photo by JMPA

そんな優勝候補のオールブラックス相手に、どうやって日本は勝つことができたのか――。

 勝因のひとつに挙げられるのは、日本のアタックが世界でも十分に通じるレベルにあったことが大きかった。昨年11月、日本はアジア予選で優勝してリオへの切符を獲得したあと、100日間の合宿を敢行した。そこでチームとして成熟し、桑水流(くわずる)裕策、レメキ ロマノ ラヴァ、トゥキリ ロテ、坂井克行ら主力に加え、スクラムハーフとスイーパーを兼ねる合谷(ごうや)和弘、ラン能力が高い後藤輝也などがチームにフィット。また、フィジー出身で身長190cmの副島亀里(そえじま・かめり)ララボウ ラティアナラが絡むことで、空中戦に強く、ランでもタメを作ってオフロードパス(※)ができるなどのアクセントが加わった。

※オフロードパス=タックルを受ける前に投げる通常のパスに対し、タックルを受けてから投げるパスのこと。

 その結果、昨年度のワールドシリーズではフィジー相手に延長戦までもつれ込んだり、イングランド(オリンピックは混成チームのイギリスで出場)と引き分けたりするなど、一定の成果は出てきた。リオ五輪では初戦のニュージーランド戦で2トライ、惜敗した2戦目のイギリス戦でも3トライを挙げたが、それは決してフロックでもなんでもない。まさしく実力で奪ったトライだ。

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