サクラセブンズ主将が語るリオ五輪。「ここがゴールであり、スタート」 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • photo by JMPA

 だが、結果は5-33でまたも敗戦。日本は大黒田裕芽のトライで先制するものの、接点でプレッシャーを受けてしまい、後ろのスペースに蹴られて快足ランナーに走られるという展開についていくことができず、計5トライを献上した。「やっぱりブレイクダウンで圧倒されてしまった。大きな反省点ですね。プレッシャーをかけてくるとわかっていたのですが、それでも対応できなかった。私たちは崩れだしたら、弱いです」と、中村知春キャプテンは肩を落とした。

 3日間で1勝4敗、最終順位は10位――。オリンピックで金メダルを獲得するために2012年から強化を続けてきたサクラセブンズの長い旅は、ひと区切りを迎えた。

 リオ五輪での戦いを振り返ると、予選プールでは3試合とも先制することができず、波に乗れなかったことが痛かった。この点に関して中村キャプテンは、「(相手に)のまれてしまいました。ワールドシリーズでも同じ負け方をしていますが、ひとつ歯車が狂うと、どん底まで行ってしまう。オリンピックという歯車がひとつ増えたのに、調整できなかった」と言えば、大学3年生の小出深冬は、「緊張感を楽しんでやろうとしたが、初の舞台でプレッシャーを感じて硬くなったところもあった」と振り返った。

 銅メダルを獲得したカナダ、4位に入ったイギリス、そして9位のブラジルにまで接点でプレッシャーをかけられ、日本のテンポの速い攻撃は封じられた。さらにターンオーバーから走られての失点も目立っていた。「フィジカルファイトのところで、ファイトする前に寄りたかったのですが......。自分たちの課題で、自分たちに負けた」(浅見HC)

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