2試合零封のサクラセブンズ。「歴史的1トライ」で足跡を残せるか (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • photo by AFLO

 あと1本、パスが通っていれば......という場面も多かった。山口は、「立て直したいという気持ちはあったが、焦りが生まれてしまった。安定感のあるプレーをするのではなく、ドタバタしてしまった」と振り返った。結局、初戦と同じくノートライに終わり、0―40で大敗してしまった。

 中村キャプテンは試合後、「(オリンピックという舞台で)奇跡を起こすのは難しいと痛感しました」と、ラグビーという競技にとって記念すべき7人制ラグビーの開幕初日を振り返った。

 3プール計12チームが参加している女子セブンズは、各プールの1~2位、そしてそれぞれの3位のうち上位2チームが決勝トーナメントに進出することができる。日本は「ブラジルに大勝する」という条件つきで、現実的にベスト8進出は厳しいが、可能性はゼロではない。

 日本は2日目、ブラジルと順位決定戦を戦う。「セブンズは切り替えるしかない。目の前の相手としっかり戦いたい」と浅見HCが言えば、横尾千里も、「小さなミスをしてトライを獲られて、このままだと今までの5年間が無駄になるので、引き締めて戦いたい」と意気込んだ。

 初日はノートライに終わってしまった「サクラセブンズ」。この5年間、1000日以上にわたって強化してきた集大成として、まず1トライ、そして願わくは初勝利を挙げて、夢にまで見たオリンピックという晴れ舞台で、しっかりとサクラセブンズの足跡を残してほしい。

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