スーパーラグビー1年目。課題山積のサンウルブズは何を手にしたか (4ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu   志賀由佳●写真 photo by Shiga Yuca

「スクラムは(相手の)重さというか、組む時間が、これまでと全然違うなと思います。スーパーラグビーは絶対、(相手ボールを)獲りにいくじゃないですか。文化の違いですね。(サンウルブズは)まだ組織としての組み方が甘いのかなと、思います」

 25歳のスクラムハーフ、茂野海人はスーパーラグビーでもっとも躍進した選手だろう。昨季はNECからの海外派遣でニュージーランドのクラブで武者修行し、ITMカップ・オークランド入りもした。

 茂野もまた、「経験値が上がったかな」と漏らした。判断のはやさ、引き出し(選択肢)が増えたようだ。

「1試合1試合、経験が積み重なって、次の年にしっかりつなげられるようになれば、と思っています。ITMと比べて、スーパーラグビーのほうがテンポは速い。運動量もすごいと思います。その中で、スペースをみたりする判断であったり、状況に応じての判断であったり、少しは変わったのかなと思います。それでもまだ判断力が足りてないので、もっと養いたいですね」

 経験でいえば、長距離移動などハードな日程もそうだろう。サンウルブズはシンガポール、南アフリカ、豪州にも行き来した。茂野は「高いところ、飛行機に乗るのはちょっと苦手で」と苦笑する。

「でも、(飛行機移動が)ちょっとましになりました。チームの経験値として、コミュニケーション、意志疎通についてはどんどん上がってきていると思います。(食事については)南アフリカでのそれにはなかなか慣れませんでした」

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