スーパーラグビー1年目。課題山積のサンウルブズは何を手にしたか (2ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu   志賀由佳●写真 photo by Shiga Yuca

 サンウルブズは前半の中盤まではよく戦った。攻めのテンポは悪くなかったし、フルバック(FB)フィルヨーンが自陣から56mのペナルティーゴール(PG)を蹴り込んだ。だが、時間とともにディフェンスは乱れた。前半はオフロードパス(タックルを受けながらのパス)をうまくつながれ、後半にはフォワードにインサイドで短いパスによる突破を許した。計9トライを奪われた。

 攻めては、何度かは敵陣ゴール前に攻め込んだ。が、トライは獲れなかった。暑さのせいか、連戦による疲労の蓄積ゆえか、運動量が少なくなっていた。攻め急ぎもあった。「我慢」が足りなかった。

 ハメットHCはこうも言った。

「選手の層が底をついてきています」

 サンウルブズの最大の課題は、選手層の厚みである。やはり昨年のワールドカップ(W杯)経験者と比べると、この試合、途中から入った交代選手の力が落ちすぎる。あいまいなアタック、あいまいなディフェンス。これではチームとして機能できない。

 記録をみると、スーパーラグビー参戦の18チーム中、1勝しかしていないチームはサンウルブズだけである。同じく初参入のアルゼンチンのジャガーズは3勝。サンウルブズの総得点が261点、総失点は537点。総トライが29本、総失トライは75本となっている。失トライが極めて多い。

 タックル成功率は18チーム中最下位の79.4%(1位はブルズの87.9%)。セットプレーではスクラム成功率が8位の91.0%(1位はハイランダーズの97.0%)で、ラインアウト成功率が最下位の74.6%(1位はレッズの92.0 %)。当然ながら、試合内容を表す数字となっている。

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