逆転でセブンズ五輪代表入り。藤田慶和「W杯の悔しさを胸にリオへ」 (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・写真 text & photo by Saito Kenji

「章さん(山田章仁)のように、(15人制の)サンウルブズと両方する選択肢もありました。でも、どっちつかずになると、この1年はもったいない。オリンピックは(セブンズを)極めた人が出てくる大会なので、やるからには絞ってやろうと思った」(藤田)

 昨年、藤田はワールドカップ直前の試合で先発したものの、本番で出場できたのは予選プール敗退決定後の最終戦・アメリカ戦だけ。「もっと試合に出て、世界の強い相手と対戦したかった。チャンスを掴める位置にいたのに、悔しかったですね。いま思うと大学の4年間は、ミスを恐れて自分のプレーが小さくなっていたと思います」。ワールドカップで活躍できなかった悔しい思いを胸に、藤田は社会人になって気づいたチャレンジ精神を奮い立たせ、8月のオリンピックに挑む。

 15人制での藤田はWTB(ウイング)やFB(フルバック)を務めているが、セブンズでは主にSH(スクラムハーフ)としてプレーする。アタックではチャンスメイク、ディフェンスでは広いエリアをカバーするのが役目だ。「自分の強みは、運動量です!」と意気込む藤田は、ステップやランだけでなく、スペースを見極める能力も秀でており、長い手を使ったオフロードパス(タックルを受けながらも味方にパスするプレー)もうまい。

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