【ラグビー】スコットランドに惜敗。若き戦士たちの2019年への宿題 (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 だから、勝負どころのプレーが雑に見えた。ばらけた。ミスが出た。反則を取られた。

 逆にスコットランドは一見、大したことはないように映るのだが、バックスはキックとディフェンスに忠実で、FWも粘っこくて重かった。途中から入ったSHレイドローに象徴されるように狡猾だったのである。後半30分、レイドローのPGでついに逆転された。

 このチームを、昨年のW杯の日本代表と比べるのは酷である。準備期間も短ければ、新ヘッドコーチも不在なのである。安定感を増した27歳のSO田村はこう、反省した。

「僕自身もですけど、日本代表として、選手だけでなく、コーチ陣や日本協会も含めて、経験の差かなと思います。それは準備であり、マネジメントであり、きょうのレフリングへの対応であり...。そういうところで伝統国との差が出たのかなと思います」

 田村は昨年のW杯を経験した。スーパーラグビーに初参戦したサンウルブズとしても戦っている。間違いなく、2019年W杯の主軸となる。

 成長した部分は?と問えば、「慣れましたね」と漏らした。

「外国人のプレーが日常になったので。みんな、そうだと思います。僕らはもう、こういう試合を積み重ねていくしかないんです」

 センター(CTB)の立川理道もW杯もサンウルブズも経験し、確実に力をつけている。この日唯一のトライとなった前半中盤のライン攻撃は鮮やかだった。みんなで走って、みんなでつないだ。22歳のフルバック(FB)、松田力也の鋭いラン。26歳のアマナキ・レレイ・マフィのパワフルな突進。24歳の金正奎のつなぎ、25歳の茂野海人のダイビングトライ。2019年への視界が広がる。

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