【ラグビー】スコットランド戦で見えた新生ジャパンの収穫と課題 (4ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 もっとも収穫もあった。スーパーラグビーでサンウルブズとして戦っているメンバーが多いからか、フォワードが接点で当たり負けることは少なくなった。ディフェンスの出足、連係もよくなった。特にゴール前のピンチでは粘りに粘った。

 スーパーラグビー効果?と聞けば、「キンちゃん」こと、38歳のロック大野均は「慣れ」と説明した。

「日本が強くなったというか、フィジカル的に世界レベルに慣れたという感じですね。(コンタクトプレーで)受けに回ることはなくなりました」

 スクラムだって、本数を重ねるごとに修正していった。先にヒットして体重を乗せていった。互角に戦った。

 この日本特有の6月の蒸し暑さは、スコットランドの選手の方がつらいに決まっている。日本にとっては、この敗戦を生かさなければ意味がない。2019年W杯に向け、ひとつひとつが重要なステップとなる。

 疲労困憊のキンちゃんは言った。

「次は我慢ですね、我慢、我慢」

 いかにディシプリンを守るか。いかにミスを少なくするか。いかにボールを早いテンポで動かすか。それが第2戦(25日・味の素スタジアム)のカギとなる。チャンスはもう一回。新生ジャパンは27年ぶりのスコットランド戦の勝利を奪うことができるだろうか。

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