【ラグビー】スコットランド戦で見えた新生ジャパンの収穫と課題 (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 この日の日本のテーマのひとつが「我慢してディシプリンを守ること」だった。が、前半は相手の5つに対し、日本のPKとなる反則は11を数えた。序盤に早い展開からフッカー堀江翔太がトライを奪ったのだが、こう反則が多いとリズムには乗れない。

 日本は後半、相手より2人少ない13人がピッチに立った。キックオフ前、堀江主将は円陣でこう、檄を飛ばしたそうだ。「我慢しよう。ふたり分、多く動こう。コンタクトプレーで当たり負けしないようにしよう」と。

 だが、後半開始直後、スコットランドにトライを加えられた。ゴールも決められ、10-23。勝敗の帰趨はほぼ決まった。

 結局、トライは最初の1本だけに終わった。早いテンポで攻めたいのだが、要所のブレイクダウンでは相手に絡まれてしまう。スコットランドのゴール前に迫ると、ハンドリングミスを犯したり、ターンオーバー(ボール奪取)を許したりして、チャンスをつぶした。

 ラインアウトからもいい球を出せず、モールも押し込むことができなかった。松島の故障退場はあったが、バックスも決定力を欠いた。攻めに徹底さと厳しさがなかった。これは準備期間の短さによるものか。新HCの不在とも無縁ではなかろう。

 堀江主将は言った。

「非常に悔しい。ポジティブなもの、ネガティブなものがあった。(ラインアウトは)まだ“あ・うん”の呼吸がとれていない。ディシプリンはもっと意識していかないといけないと思います」

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