サクラセブンズ鈴木彩香「金メダルを獲るために、チームを壊します」 (2ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  露木聡子●写真 photo by Tsuyuki Satoko

 ラグビーのことを記してきた自身の「ラグビーノート」は、もう10冊を優に超えた。ノートには筆致の強い黒ペンでこう書かれている。

<自分、がんばれ!>
<自分に負けるな!>
<ふんばれ、ここだ!>

 鈴木彩香が気恥ずかしそうに笑う。

「しょっちゅう泣いています。ケガしたり、痛みがあったり、うまくいかないことがあったりして。自分で励まさないとかわいそうじゃないですか」

 もう26歳となった。小学校2年でタックルのないタグラグビーと出会い、やがてラグビーに移った。17歳で日本代表入りし、数々の国際舞台を経験してきた。2013年の7人制ワールドカップ(W杯)では全敗し、悔し涙を流した。

 2014年1月には、へんとう炎が悪化し、手術したものの体調がすぐれない日が続き、代表を離れた。昨年1月、代表に復帰したが、練習試合で左ひざの前十字じん帯を断裂した。リハビリと闘い、復活した。昨年11月、サクラセブンズはリオ五輪出場権を獲得した。その後、ひざの内視鏡手術を受けた。

 またも復活し、海外遠征に帯同、ケガに注意しながら、経験をアピールする。持ち味が「状況判断」と「勝負魂」である。
(以下、インタビューは5月中旬に実施)

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