【ラグビー】38歳、謙虚な鉄人。大野均は灰になっても走り続ける (4ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 なぜ、ここまで長くやれているのか? としつこく聞かれると、ちょっと思案した。

「子どものころからの農作業で培ったものでしょうか。ナチュラルに強くなったところがあるのかもしれません」

 では、疲れたときや不調のときの気分転換は?

「変わらず、ですね。お酒飲んで、リラックスして、寝るぐらいですかね」

 心にはいつも、東日本大震災の被災者、そして熊本地震の被災地への思いがある。

「もちろん、頑張ってほしいという気持ちがありますけど、復興に向けて頑張っている人たちの姿をテレビで見て、逆にこちらが力をもらっているところもあります」

 いろんな思いを込めて、試練の戦いがつづく。この勢いで2019年W杯の41歳、あるいは「50歳まで」との声もかかった。

「50歳なんて……。とても、とても。そこは考えてないです。もう1年1年、1試合1試合です」

 若芽のごとき若手の成長もいいが、こういった“いぶし銀”のキンちゃんの奮戦を見るのも悪くないではないか。

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