【7人制ラグビー】京大卒・竹内亜弥、リオに向かってひたむきに走る (2ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  長尾亜紀●写真 photo by Nagao Aki

 高校、大学ではバレーボールに打ち込んだ。京都大学を卒業し、社会人になってラグビーを始め、日本代表のトライアウトで飛躍のチャンスをつかんだ。ジャンプ力とフィジカルの強さ、豊富な運動量を強みとし、2013年に女子セブンズ日本代表入りを果たした。

 日本のリオ五輪キップ獲得にも貢献した。だが、ワールドシリーズ(WS)で高いレベルのチームと対戦するようになって、自信が揺らいできた。「自分の強みが分からなくなったのです」と寂しそうに振り返る。

 そんな時、日本代表の浅見敬子ヘッドコーチ(HC)に「(成長が)停滞していると思う」と指摘された。サクラセブンズからの降格を宣告された。竹内が思い出す。

「まさに自分が思っていることでした。アタックもディフェンスも細かいことを言われましたが、"とにかくプレーに迷いがある"と。なんか変にうまくやろうとしていたんです」

 だから、この大会は「初心」をテーマとした。3週間、コーチとマンツーマンでタックル練習にも取り組んだ。初めて日本代表入りしたときのように、試合では運動量を生かし、走って、走って、走りまくる。倒れたらすぐ、起き上がる。キックオフでは体を張り、ラインアウト、スクラムでは、フォワードの要になることを心掛けた。

 この大会では3トライを記録した。自分のいる位置の反対のサイドでも、懸命に走り続けて攻撃ラインの外でボールをもらってトライした。

「自分のトイメン(マークの選手)がついてこられないところまで走って、トライが獲れました。あっ、"これだ"って」

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