【ラグビー】日本男子セブンズ、見えてきたメダルへの道すじ

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  長尾亜紀●写真 photo by Nagao Aki

 チームの環境は変わった。かつては大会の週の初めに選手が招集されて、週末に試合をするというパターンが普通だった。でも、日本協会が強化に本腰を入れている最近は違う。昨年からはコアメンバーとして、ほぼ同じ選手構成で継続強化できている。大会前もきっちり合宿を張る。
 
 いわば「正しい準備」の徹底である。一番成長したところは?と問えば、羽野は「全部が全部じゃないですか」と笑った。

「同じ人たちで合宿できることが成長する近道だと思います。(リオ五輪のメダルは)見えています」
 
 2年前のこの大会でWSコアチーム入りを決めた後、1シーズン強豪にチャレンジした。力不足を痛感しながらも、着実に力をつけた。1季でWSコアチーム降格も、昨年はリオ五輪出場権を獲得した。さらにWSに招待チームで参加し、3月の米国大会ではスコットランド、ケニアを倒し、6位と健闘した。

 経験値は上がった。男子セブンズの「アティチュード」も自信も高まった。男子セブンズの瀬川智広ヘッドコーチ(HC)は「香港より一日の長があった」と言い切った。これでコアチームとなり、来季はWSにすべての大会に出場できることになった。

 もっともチーム目標は、WSの大会でベスト4に入ること、リオ五輪でメダルを獲得することである。正直、まだ世界トップクラスのフィジーやニュージーランドなどとの差は大きい。フィジカル、スキルなどの力量アップは当然として、個々のフィットネスをもっと上げる必要がある。

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