リオ五輪メダルへの試金石。7人制ラグビー日本代表、香港セブンズへ (2ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  photo by Kyodo news

 リオ五輪のメダルを考えると、強化のポイントは「ディフェンス」と「ボールを戦術的に動かすラグビー」の向上だろう。日本男子は1月下旬から、WSのニュージランド大会、オーストラリア大会、アメリカ大会に招待チームとして出場して、強豪相手の実戦の中でディフェンス力を上げてきた。前に出るシステムはそう変わらないが、メンバー間のコミュニケーション、個々の判断力が高まってきたようだ。

 日本男子はアメリカ・ラスベガスで開催された米国大会(3月4~6日)で、スコットランド、ケニアを下し、6位相当となった。大健闘といってよい。WSでの6位相当は、2000年ジャパンセブンズでの5位相当に次ぐ成績だった。エディー・ジョーンズHCが率いた日本代表で、分析担当だった中島正太アナリストが帯同していることもあって、ブレイクダウンなどの整備が進み、これまでの弱点だったターンオーバー(ボール奪回)からの失点が減少傾向にある。

 昇格大会のメンバーには、経験値の高い桑水流(くわずる)裕策主将(コカ・コーラ)や快足ウイングの松井千士(同大)、米国大会で活躍した彦坂匡克(トヨタ自動車)らが並ぶ。合谷和広(クボタ)ら若手の成長もあり、五輪メンバー入りに向けたポジション争いもし烈さを増しそうだ。

 昇格大会には12チームが参加。男子日本はプール戦で、リオ五輪に出場する開催国のブラジルと初戦を戦い、モロッコ、トンガと対戦する。各プールの上位2チームと3位の上位2チームの計8チームが準々決勝に進み、トーナメント戦を戦う。他のプールから勝ち上がってきそうなチームは、地元香港ほか、スペイン、ジンバブエあたりか。

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